奨学金を受け、大学進学した方は少なくありません。しかし、奨学金とは言えお金を借りていることに変わりはありません。
そんな中、サラ金からの借り入れを考えている場合、奨学金を受けていると不利になってしまうのでは?と不安になりますよね。
今回は奨学金を返済し続けている場合、サラ金の審査にどのように影響するのかをご紹介します。
目次
奨学金を借りていてもサラ金の審査には影響しない
まずお伝えすると、奨学金を利用していることがサラ金の審査に影響することはありません。
奨学金とは言え、借金は借金です。奨学金を利用していることが判明すれば、その分返済財源も減ります。
それでも奨学金がサラ金の審査に影響しない理由はなぜでしょうか?
奨学金の借り入れがサラ金の審査に影響しない理由
奨学金の借り入れがサラ金の審査に影響しない理由は2つあると考えられます。
奨学金の借り入れは信用情報に影響しないため
奨学金がサラ金の審査に影響しない理由は、奨学金の利用履歴、返済状況などが信用情報機関に登録されていないためです。
サラ金の審査では信用情報機関を参照して、申し込み者が「何社から借り入れているか」「どれくらいの額を借り入れているか」を把握します。
奨学金以外のローンやキャッシングは、申し込みした時点で信用情報に登録されます。
申し込み件数や借り入れ件数が多いと、「お金に困っている」「返済財源が確保できない」などのマイナスイメージを抱かれます。
奨学金に悪いイメージがないため
これは断言できないことですが、奨学金はサラ金や銀行カードローンなどのキャッシングと異なり、勉強するために借りるローンです。
大学や専門学校に行けば、高卒とは生涯年収に大幅な差が生じることは言うまでもありま円。
借りたお金をギャンブルに利用する人と、学校に通うために利用する人とでは信用度も全く異なりますよね。
奨学金の利用履歴が信用情報機関に登録されるケース
奨学金の利用履歴は信用情報に登録されないため、サラ金の審査にも影響しないとお話ししました。
しかし、奨学金の返済状況次第では信用情報機関に登録されます。
奨学金の利用履歴が信用情報機関に登録されるケースは奨学金の返済を3か月以上延滞した場合です。
信用情報機関に延滞者として登録されると、信用情報を参照したサラ金の審査担当者が「経済的信用が低い」と判断します。
延滞者として登録されることによって、サラ金の審査に通らないだけでなく、クレジットカードが発行できなくなる、利用を止められることがあります。
各種料金の引き落とし、ショッピングやキャッシングなどができなくなるため注意しましょう。
奨学金を延滞した場合の対処法
「支払い日を忘れていて、奨学金を延滞してしまった!」そのような方もご安心ください。
奨学金の支払いが1~2日ほど遅れたからと言って、すぐさま信用情報機関に登録されるかと言えばそうではありません。
独立行政法人日本学生支援機構では、奨学金が信用情報に登録される条件を次のように定義してます。
個人信用情報の取り扱いに関する同意書を提出していただいている方のうち、現在奨学金を返還されている方は、3か月以上の場合に個人信用情報機関に個人情報が登録されます。
新たに返還を開始する方は、返還開始後6か月経過時点で延滞3か月以上の場合に登録されます。登録の判定は返還開始から6か月が経過してから、毎月行われます。
日本学生支援機構が加盟している信用情報機関
奨学金は、国の機関「日本学生支援機構」によって融資されています。
日本学生支援機構は学生を支援する目的で作られましたが、最近では不況の影響もあり奨学金を返済できない方が増えています。
奨学金は、利用者が返済することで成り立っています。あなたが今返済しているお金は、未来の後輩の奨学金になるのです。
そのため、返済できない方が増えれば後輩に融資できる奨学金もなくなってしまいます。
この現状を打破するためにも、日本学生支援機構はJBA(全国銀行個人信用情報センター)に加盟することになりました。
奨学金の信用情報がサラ金の審査に影響しない理由
日本学生支援機構が加盟している信用情報はJBA(全国銀行個人信用情報センター)です。
そして、サラ金が加盟している信用情報機関はCIC(株式会社シー・アイ・シー)やJICC(日本信用情報機構)のいずれかです。
日本学生支援機構とサラ金は異なる信用情報機関に加盟しているため、情報が共有されないのです。
(先ほどもお話ししたように、3か月以上延滞した場合はCRIN(クリン)と呼ばれる信用情報共有システムで共有されます。)
参考:『サラ金の審査項目「他社借入」が不安な方に見てほしい対策方法』
まとめ
奨学金を利用、返済しているからと言って、サラ金の審査に通らないことはありません。
しかし、奨学金を3か月以上延滞している場合は信用情報がサラ金の審査担当者にも共有されるため、審査通過率が低くなります。
あなたの借りた奨学金が未来の後輩の奨学金になります。返済できなければ後輩の奨学金はなくなり、進学できない方も増えてしまいます。
サラ金の審査に通らないことはもちろん、これからの日本を背負っていく立場として奨学金の返済は毎月必ず行いましょう。
万が一返済できなくなった場合は、一刻も早く日本学生支援機構に相談しましょう。